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北八ヶ岳を巡る SEASON2 リベンジ編 1日目

2009年10月13日
麦草峠駐車場 ~ 大石峠 ~ オトギリ平 ~ 出逢い辻 ~ 坪庭 ~ 七ツ池 ~ 北横岳 ~ 亀甲池 ~ 双子池


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前回の挫折。リベンジ。ルートを見直す。前回行けなかった南の周回から始めるか、前回と同じ北へ入るか。
もちろんあの岩石帯、大岳は外す。最初の計画に戻し亀甲池を抜ける。茶臼山と縞枯山は捲いて別のルートを探る。緩いルートだが疲れ果てて挫折しては意味が無い。緩い時間を過ごすのだ。「スローでエキサイティング」な時間を求めて。そして歩き切るのだ。

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ピークは過ぎたが紅葉の時であること。数日前に台風が直撃していること。一部ルートが崩壊してること。最低気温は1度くらいまで下がること。
天気は良さそうだ。しかしながら、山の天気は変りやすい。星空の下で眠るのは双子池に限る。他の幕営地は森の中で木々が邪魔をする。天気次第だ。1日目の天気が良ければ北へ向かうこととしよう。やはり前夜出発とした。
しかし、出発直前だというのに、踏み切れずに躊躇していることに気付く。それは拭いきれない不安からなのか。気付いたら、危険一発になっていたりする。本当に行きたいのか分からなくなっていた。ただの義務のように。なぜ義務?それは修正しなくてはならない事だらけだからだ。行かない理由を探している。じゃあ止めればいい。いや、刃を研ぐのだ。

10月13日午前1時前、モヤモヤした気持ちのまま出発となる。
2時半。八ヶ岳PAに車を停めて眠る。5時過ぎに目を覚ますと、夜は明け始め、空は桃色に染まり、連なった山々は黒いシルエットとなって浮かんでいた。
メルヘン街道を走る。ここまで来ても未だ気持ちは中途半端のままだ。そしてそんな奴が事故を起こす。注意せよ。横に目をやると、なんと山々が雲を纏って桃色に染まっているではないか。目の覚める光景だ。この瞬間に来て良かったになる。車を停め、カメラを持って出た。寒っ!。この寒さは耐え難い。すぐに車へ戻った。
寒い。これまで経験した事のない寒さではないのか。ここでこの寒さ、山の中のテント。生き抜くことが出来るのか。テントで凍死。有り得る。やはり止めて帰るべきか。まるで忠告されているようだ。いや、せっかくここまで来たのだ。取りあえず駐車場まで行こう。湯を湧かし、熱いコーヒーを飲む。そしたら帰るか。
同じだ。

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駐車場まで来ると時間の経過のせいか、寒さは幾分緩んだ。それでも寒い事に変わりは無い。湯を沸かす事は無く、缶コーヒーとパンで朝食としながら、行くべきか、止めるべきか考えた。ここまで来て帰る手は無いだろう。寒くて耐えられなかったらあのオヤジさんの居る小屋に逃げ込めばいいのだ。それでも躊躇を拭い去ることが出来ないまま、準備を始める。

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山登りを避け前回きつい思いをした茶臼山と縞枯山を左に捲く道を選んだ、何て柔なルートだ。それは前回とは違う新しい道を歩くこと。そして長い道のりを歩き切ること。前回の二の舞いになってはいけない。ということが理由だ。

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7時半出発。オトギリ平、出逢い辻をまわる平地のルート。陽当たりの良い、まるで公園の散歩のようなスタートだった。

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常緑樹がほとんどなのだろう黄金色した草木はあるものの、紅い色は見当たらなかった。薄暗い森になった。これまでの道のりとのギャップが大きい。ぽつりぽつりと道標のテープがあるものの、暗いために発見が容易ではない。湿った苔が覆った石の上を歩く。注意が必要だ。しかし足場に気を取られていたらテープを見失ってしまう。何度も足を止めテープを探すことになった。

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歩き始めて2時間半、10時。ロープウェイ山頂駅に到着。日曜日とあってそこそこの人出だ。でもまだ10時だ。ピークはこれからなのだろう。

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ロープウェイには登山者も多く混じっている。ここをスタートとし、北横岳を目指すグループだ。熟した人達。足取りはゆっくりで行く手を塞がれる。お陰で北横岳までの道のりは渋滞ぎみになった。そしてとても良くお喋りをする。「大きい荷物ね。何処まで行くの?」「テントが入ってるの?」「夜は寒いでしょ、大丈夫?」「その荷物はトレーニングなんでしょ?だって三浦さんもエベレストへ行く前には~」申し訳ないがエベレストの予定は無い。後半は聞こえない振りをしてスピードを上げた。

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11時、北横岳ヒュッテ到着。荷物を放置して、前回立ち寄らなかった「七ツ池」へと向かう。木々に囲まれた、人工の庭園のようだった。ロープが張り巡らされ、水に触れる事は出来ない。15分程で折り返し、荷物をデポし、「北横岳」へと向かう。本日は快晴なり。山頂の眺望が楽しみだ。

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11時40分、「北横岳」山頂。2480m 今日は快晴で見晴らしが良い。しかしながらやはり風が強くそして寒い。ここを目指して来た人達はそれに耐えながら昼食を摂っていた。帽子を押さえ、シートを守りながらおにぎりを口に運ぶ。少し痛々しい光景だ。それを横目に「亀甲池」を目指してさっさと下りる。前回の岩場とは別のルート。道標をよく確認して。
急なつづら折りを蛇行しながらひたすら下る。約1時間半掛けて。楽しいルートとは言えない。早いとこ消化したい。

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無心に歩き続け下りた。「亀甲池」に向かう森 

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考えない 感じ取るのだ 五感を澄ませ 

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13時、誰もいない「亀甲池」に到着。ここで中休止。静かにランチ。ぶどうとりんごのパン、コストコで見つけたトレイルミックス。七ツ池を陽とすると亀甲池は陰。寂しい表情をしている。長くは留まりたくない。

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さて双子池へと向かおう。もう一山越えなくてはならない。登り始めてすぐ、おじさんがひとり向かって来る。「亀甲池はまだ先ですか?」うんざりした表情だ。これからのその道のりを物語っていた。
もうすぐそこですよ。

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苔に覆われた森を登ったり下りたりを繰り返しながら進む。静まり返った別世界。でも生の気配が主張している。迷い込んでしまったジャングル。留まっていると吸い込まれて森の一部にされてしまいそうな圧倒感。つるが巻き付いて引き寄せられ、身体に苔が蒸し、芽が湧く。じっくり時間を掛けて吸い込まれる。そんな邪悪な気配。じっとしているのが怖い。気付けばカメラのバッテリーがもう無い。この森に吸い上げられたか。

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50分程歩いたところで「双子池」が見えた。
「雄池」にボートを浮かべて何やら調査している様だった。作業着を着た男女3人組。先月よりも湖面が広く、テントを張ったところは水没していた。テント張れますか?「小屋で聞いて下さい。この道を真直ぐ行って、」役場の人だったようだ。こっちの「雄池」は別として、向こう側の「雌池」は飲料水として用いる。水質調査だろうか。テントを張れそうなところを物色しながら 不安を抱えつつ小屋へと向かう。相変わらず静かだ。 紅葉した木は僅かしか見られない。紅葉には少し遅かったことは分かっていても残念だ。

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小屋へ着くと受け付けの窓を挟んで、小屋のオヤジさんと男が話し込んでいた。奥さんらしき人が少し離れたところで待ってる。話しが終わるのを待っていたがいっこうに終わる気配が無い。こちらに気付いているはずなのに譲ろうとない。しばらく様子を見ていたが、男が一方的に喋り、オヤジさんはうんざりしていた。「ふ~ん」「あそう」と心ここにあらず。なので間に割り込むことにした。テント張らせて下さい。「はい。じゃあこれ、宿帳ね。500円。」オヤジさんは疲れた顔をしている。それでも男は喋り続ける。あの山はどうだった。あそこはこうだった。そんな具合だ。オヤジさんが隙間を狙って「じゃあ今日はこの辺で。」と幕を引いたにも関わらず、それでも男は喋り続けた。男はまだ終わっていないぜとばかりに。しかし「早く行こうよ。」奥さんの声にようやく腰を上げた。それでも「また来るからね。元気でね。」
下界に降りたら、あのオヤジのことはよく知ってるぜ。山と人生を語り合った仲なんだぜ。とでも言うのだろう。

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オヤジさんお勧めのポイントにテントを張ろうとしたが、先客がいた。こんにちは。「こんにちは。」男前で最新のスタイルと笑顔が雑誌のモデルのようにきまっていた。撮影かと思ったほど。やむを得ない。君に譲ろう。もちろん早い者勝ちだ。

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UCOキャンドルランタンをバラし、ホヤだけにしてティーキャンドルの風防にした。これはいい。心地良い揺らぎだ。そうこうしている間に陽が落ちて行く。今夜は星空となってくれるだろうか。寒い。寝袋に下半身を潜り込ませ、闇を待った。森の上に月が昇った。三日月だ。目を凝らすと小さい光が数多く見えた。宇宙が見えた。身を乗り出す。見た事のない光景だ。夜空一面に広がる星たち。ワォ!宇宙だ。そして流れ星が十字に走った。月、そしてこの地球。繋がっている。地球の外に宇宙があるのではない。宇宙の中に地球がある。宇宙にいる。そう感じ取ることが出来た。この星の数、宇宙のスケールで見れば、地球を含めて全て、塵のようなもの。そしてこのどこからか同じようにこちらを眺めている奴がいるのだろう。


麦草峠駐車場 6:30〜7:39
大石峠 8:07
オトギリ平  8:27
出逢い辻 8:54
山頂駅 10:07〜10:18
北横岳ヒュッテ 11:00
七ツ池 11:08
北横岳ヒュッテ 11:17
北横岳(2,480m)11:40
亀甲池 13:05〜13:35
双子池 14:25
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