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北八ヶ岳を巡る冒険。2日目。

2009年9月16日
双子池 ~ 雨池 ~ 麦草峠


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5時に目が覚め、明け行く外を眺める。雨は上がった。しかし空は真っ白だ。星を観れなくて残念だ。
水面では湯気が踊っていた。
タバコに火を点け、バーナーにも火を入れ、コーヒーを淹れた。昨日は身も心も痛い思いをした。
星空も見る事が出来なかった。それでもこうしている時間は特別で素敵な時間に間違いなかった。

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悠久の時。ずっとこうして。

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次第に晴れて来た。濡れたパンツ、キャップ、テント。より日差しの強いところへと移動させ続けた。
その間に朝食。アルファ米しそわかめごはんにみそ汁。

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そしてまた、タバコにコーヒー。

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のんびりし過ぎた。乾かないままパンツを履き、テントも押し込んだ。
もう8時だ。出発。小屋の前に来た時にちょうどあのオヤジさんが出て来た。
昨日とは別人のように弱々しく、娘さんらしい女性に支えられていた。
穏やかに「天気良くなって良かったですね。今日は雨池ですか。気をつけて。」
また来ますよ。(別のルートでね。)

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何度もオヤジさんと蒼い水面を振り返った。

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歩きながら、ダメージを確認した。大丈夫そうだ。ただ、ここはまだ砂利舗装の林道。緩いもんだ。

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雨池へと下る道。ん?脚が痛い…。

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雨池。雨の影響を反映し、雨の少ない今、干上がっているも同然。中まで歩くことが出来る。一周歩くか、いや、時間も無いし、脚が痛む。戻る最短距離を行こう。今度は上り。かなりしんどい。

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まずは駐車場、麦草峠まで。その後は、様子を見よう。

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苔、泥濘、歩き難さが余計に傷みに輪を掛ける。

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ああしんどい。もう早く終わりにしたい。まだ着かないのか。あとどのくらい歩けば良いのだ。

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やっとのことで到着した
到着すると暫し放心。ここで冒険の続きの準備が始まるのでは無かったのか。情けない。すこし休めば… 
しかし気付けば一時間。何も変わりはしない。白駒池まで行こうか。いや、もうそれですら… 
一度通り過ぎたワーゲンのワゴンが入って来た。
「ここから白駒池は遠いですか。」と若い家族。
この先に駐車場があって…「有料だったのでこっちに戻って来ました。」そうですか、ここからだと30分くらい…と知ったように。
「そうですか。」車に戻り家族会議が始まった。数分が経ち、4人が車を降り、サンダルをスニーカーに履き替えて出掛けて行った。やれやれ、もうそこへは行けない。
諦めてブーツをサンダルに履き替えた。悔しいがもうダメ。ギブアップ。やり直しだ。もう帰ろう
時間を空けてはいけない。そう、来月にでも。バックミラーの景色にリベンジを誓った。

おしまい


双子池 8:00
雨池山
雨池西岸 9:14
雨池 9:25〜9:30
雨池西岸 9:40
麦草峠 11:40
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北八ヶ岳を巡る冒険。1日目。

2009年9月15日 雨のち晴れ
麦草峠 ~ 茶臼山 ~ 縞枯山 ~ 坪庭 ~ 北横岳 ~ 大岳分岐 ~ 双子池


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北八ヶ岳を歩きたい。愛読する雑誌の記事。満点の星の下、双子池に天幕。
そしてブログ。苔むす森を漂い、日本最高所の野天風呂を目指す。
ああ、こんな風に時間を過ごして見たい。行こう。どちらがいい?どちらも捨て難い。
インターネット、雑誌を漁る。みどり池も、しらびそ小屋も、天狗岳へも。ここもあそこもときりが無い。
話しを発端に戻そう。記事と同じ頃を狙って秋の3日間、連休を確保した。夏休み代わりだ。
双子池、そして本沢温泉。両方を堪能したい。さて、これをどう繋げようか。
麦草峠の駐車場が起点となる。1日目は北上して茶臼山、縞枯山、北横岳、亀甲池、双子池へ。
2日目は南下して雨池、白駒池、中山、本沢温泉へ。3日目最終日はみどり池、にゅうを巡る。
歩けるのか…。これまで山テントは雲取山の一泊のみ。その一泊でザックを満タンにしている。
今回は二泊だ。その上冬装備となると大きく膨らむ。荷物を厳選するのだ。
これまでも道具の買い物は慎重だったつもりだ。そしてニューアイテムは外せない。富士山行を目指した1Wヘッドランプ BDスポット。暗闇に震えぬように1W LEDランタン BDオービット。それでも揺れる炎に憧れてUCO キャンドルランタン。半額だったのでウォルディーズ サンダル。
キャンプでの食事はアルファ化米。夕食、ドライカレーとオニオンコンソメスープ。朝食にはしそわかめごはんとみそ汁。昼は行動食でドライフルーツのパン、ミックスナッツなど。水分も摂れる果物がいいけど、代用でキュウリ。定番の魚肉ソーセージ。それにバナナチップ、チョコレート、ガーリックラスクもいいじゃないか。
あれ、ずいぶん買い込んでしまった。それにウェストバッグ。15リットルと少しばかり大きいが、地図、カメラ、水、行動食あたりは前に持つのだ。前後のバランスも良いはずだ。
ん?8の字を描くルートの中間地点に車を止めるのだ。2日目に立ち寄って食料の補充と着替えを差し替えれば背負う荷物は一泊分で済む。イイじゃないか。素敵だ。
前夜出発を決めたのはもう当日。いつまでも決着が着かない荷造りに着手した。永遠に終わらないようにも思えた。早起きは苦手だ。過去には寝坊した上に渋滞にはまり、途中で引き返した事だってある。そうだな、「八ヶ岳P.A.」で寝ることにしよう。しかし、21時からのNHK BS映画「イージーライダー」は見逃せない。レコーダーが無いのだ。その後の出発としよう。きっと気分を後押ししてくれることだろう。
睡魔を大量の刺激キャンディと大音量のサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドでやっつけながら、首都高、中央道を飛ばした。いや、終始工事だらけで飛ばしたなんて言えない。なのに気付けば「諏訪南」出口だ。やれやれ、「八ヶ岳P.A.」を通り越してしまったじゃあないか。この道路工事のせいだ。眠っていた訳ではない。下りて街中のセブンイレブンで車を止めた。ここで車中泊させていただく。寒い。決着させた荷物を崩したくない。車載装備のMA-1ジャケットとホームセンターで見つけたMA-1を模したパンツ。それに登山用品店で貰った身体を覆えないほど細長いフリースブランケット。それに合わせて一応、身体を細めて掛けてみた。寒い。それでもすぐ眠りに落ちた。
バタバタと雨が車を打つ音で目が覚めた。なんてこった、雨ですか。MA-1ジャケットとMA-1みたいなパンツ、辛うじて乗っかっているフリースブランケットを剥ぎ取り、運転席へ這って行きエンジンに火花を入れた。

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メルヘン街道に入り、麦草峠を目指す。駐車場には1時間ほどで到着した。一旦はそれとは気付かず通り過ぎた。気付くと遠慮なく後退で戻った。広く、砂利が敷かれていた。立派で清潔なトイレもある。想像していた、ただの空き地、では無かった。四輪駆動車が1台あった。その車に向きを揃えて止めた。
天気予報では晴れが続くはずだった。山は別だと言う事は分かっている。もうここまで来ているのだ。雨だろうが始めるさ。
しかし眠い。予定した出発時刻にはまだ時間がある。背もたれを倒して目を閉じる。
レインスーツの男が下りて来た。四輪駆動車のドアを開け、ザックを下ろした。寝ているふりをして、その男の動作を眺めた。水滴のガラスはモザイクとなってほとんど見えない。ゆっくりと時間を掛けて片付けをしている。このまま諦めて本当に眠ってしまおうか。
閉じた瞼に光を感じた。晴れてきた。
そうとなれば気持ちは前ノリに一転する。ドライフルーツのパンを頬張りながら、支度を始める。1台の車が同じ様に通り過ぎ、同じ様にバックで戻って入って来た。熟年の夫婦であろうふたりは荷物からすると日帰りか。続いてもう一台、迷い無く入って来た熟年男性ふたり。こちらも日帰りだろうか。山小屋かもしれない。「縦走ですか?」この荷物に驚いていた。共に白駒池のほうへ向かった。
レインスーツはジャケットだけ羽織った。トイレを済ませ、荷物を背負うとすこし振らついた。
シミュレーションより少し早いが出発としよう。
8時40分、まずは双子池を巡る冒険が始まる。

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メルヘン街道を横切り、一歩を踏み出す。雨が上がってくれて良かった。泥濘に早速汚れ、ゲーターを持って来なかったことを悔やんだ。
この苔蒸す森は雨が似合う。しかし長く、遠くを歩くにはありがたいものではない。間もなく光が木漏れ日となって注いだ。晴れてきた。濡れた苔が光りを受けて輝いた。最高の景色だ。求めていた風景。そう、晴れ男なのだ。心躍る。目を見開き、土と葉の匂いを嗅ぎ、空気に触る。五感が騒いでいる。解放された。興奮している。

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森を抜け高台に出た。中小場、9時。これから歩む、茶臼山、縞枯山が。その姿をカメラに。あれシャッターが切れない。電源が落ちた。もう、ですか。電池交換に掛かる。携帯電話の電波はどうだ。圏外。まあこれは想定内。さてスタートだが、岩の上だ。何処へ下りれば良いのだ。明確ではない。それらしいところを探りながら進む。大丈夫、トレイルの上にいる。

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光の少ない森に壁が現れた。茶臼山の上りだ。これまた急坂だな。覚悟を決めて上る。ザックの重さをモロに受ける。腹のバッグに上げた脚が干渉する。脚が止まる。息が切れる。ああ、しんどい。まだ始まったばかりだぜ。5歩と進まないうちに足を止め、深いため息をつく。タバコは止めるべきだ。それに走ったり、泳いだり、バイクを漕いだり。鍛えたつもりは、消耗しただけだったのか、それはただのトライアスロンごっこだった。

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この光景、脚を止めずにはいられない。頂上の左手に展望台の案内板。沿って入る。

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茶臼山の展望台 突然現れた風景。足の下に雲が広がる。雄叫び

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木の枝が風に一方向に向いていた。強い風にさらされているのだ。穏やかな空気が突然流れ、雲がこちらに迫り来る。逃げる様に立ち去った。20分程遅れた。ゆっくりしてはいられない。茶臼山から縞枯山となり、ストックを仕舞い岩場を下りた。それは茶臼の上りよりハードなものだった。

雨池峠11時38分。小休止。タバコに火を点ける。細かい雨が落ちて来た。これまでの格闘、この雨にこの先に少々不安を覚えた。呼吸を整えザックを背負う。
木道が現れ、上に載る。縞枯山荘に出る。しかし何てことだ、振らついている。幅はたっぷりあるのに踏み外して落ちる。まるで平均台の上を行く様にふらふらと右に左に。ここまでの歩きのダメージなのか。情けない。それとも脚が曲がっているせいなのか。股から足首まで8の字を描いているのだ。そして右足はよく左足に蹴飛ばされる。これが真っ直ぐなら、もう少し身長も稼げただろうに。
 山頂駅、12時丁度。5分程取り返したようだ。雨は一時的だった。しかし薄らとガスの中だ。坪庭は観光スポットだが、白駒池の紅葉とセットなのだろう。まだ早いのか、人は疎らだ。小休止。タバコに火を点ける。
観光客に混じって、坪庭を上る。舗装されているが、傾斜がきつい。
北横岳ヒュッテに到着。12時50分。10分取り返した。しかし肉体的にも余裕は無い。七ツ池はまた次回としよう。
 行く手を塞ぐ様に、大きな注意書きの看板が。「この先は大変危険です。事故が多発しています。観光でここまで来られた方は引き返してください。この先は充分な装備が必要です。」云々。
さて、充分な装備とは、衣食住すべてを背負っている。どうだ。そういう事でないのは分かっている。注意して行こう。
ここからは山登りらしい上り。しかし、ゴミが目立つ。キャンディの包み、アミノ酸の袋。拾いながらの上りになった。景色よりも足元が気になってならない。ましてや中年夫婦が花を摘んでいる。見られて気まずそうに立ち去った。
北横岳、13時5分。山頂はガスの中。そして強風。誰ひとりいない。しかしそれでも昼食としよう。ザックを下ろし、倒木に腰を落とした。ぶどうとリンゴのパン。アクエリアスとアミノ酸を摂り、タバコ。景色も無く、そして寒い。もう行こう。地図を広げる。亀甲池まで1時間。狭い等高線。さっきの「危険」とはこれのことか?この天候だし、正直もう疲れた。亀甲池もパスして真っ直ぐ双子池に向かおうか。本来「双子池で佇む」が目的だ。ここまで掛かり過ぎた。緩く行こう。双子池ヒュッテの正面に出る、大岳経由にルートを変える。すると気が軽くなりもう到着した気にさえなった。そしてその風景を、そこで過ごす時間を想像した。
しかし、これが誤った選択になるとはこの時はまだ知る由もない。

後はユルユル歩いて行けば、そこに着く。半ばもう終わったようなものだ。
突然道が無くなる。切断された様に。左を見ても右を見ても道がない。この岩の向こうかな?いや違う。繰り返す。何度も。どうなっているのだ?切断された下を覗き込む。ロープが垂れていた。オーケー。ストックを自作ホルダに納め。ロープを掴んだ。
ロープは短く足場も無くなり、飛び降りることに。着地を誤れば、滑落するほど細い道。やさしくない。
やれやれ。気を取り直し歩き始める。と、今度は行く手が塞がった。誤ったか。地図を広げる。間違ってはいないようだ。正面の岩を上ってみる。遥か彼方まで岩の連続。そしてガイドのペンキがある。ここを行けと言うのか。
しかしこの岩、大きすぎだ…。手掛かり、足場を探りながら、ヨジ登る。次の岩へは。飛ぶしか無いのか…
このデカザックにマットを外付け、腹にはウェストバッグ。身体の厚みはほぼ4倍。思うように動かない。滑り下りれば身体が前に押し出され、隙間を抜けられず、時に挟まり、地に足が届かなかったり、跨ぐには脚が上がらず、飛ぶには重たすぎた。ここはクライマーの場所でハイカーが立ち入るところでは無い。危険とはこっちだ。いつも選択を誤る。自分の脚で進んでいるようには思えない。滑って転げて落ちて。歩いているとは言い難い。まだまだ先は遠い。振り返っても何処から始めたか分からない。時間と距離が曖昧になってきた。そして永遠に終わらないのでないか。
指先は出血し、脚も身体も打ち付けて、捻れて、疲労困憊だ。この岩に挟まってしまったら抜け出せないだろう。深く、奥が見えない溝もある。ここに落ちたら遺体も見つからないだろう。誰にも気付かれぬまま骨となる。
死臭がした気がした。
誰か現れないか。前からでも、後ろからでも。どこにも「生」の気配がない。劣化したペンキと白けた苔の区別がつかない。動きひとつに慎重かつ覚悟を要した。未熟者はここまでか…。
ピークへ辿り着く。「大岳」の案内。早く抜け出したい。無を象徴している灰色の空と岩の世界。このピークで終わってくれ。限界だ。最後のひと際大きな岩によじ登り、その向こうを望む。

オー!マイカミサマ…
これまで以上の長い岩場の道。終わりが見えない。永遠に続く罰の世界。
何か悪い事をしたか?ああ、して来たのだろう。良い事はしたか?…してないかも。間違いない、悪いヤツだ。
もうあっちの世に足を突っ込んでしまったのだろうか?そこへ向かって歩いている?昨夜、居眠り運転をして…。いやいや、そのくらいの分別はつく。ここでくたばるのか。山で死んで本望か?いや、それは無い。それはただの馬鹿野郎、迷惑野郎でしかない。愛する者たちへお別れを言えるのか?きちんと役割を果たしたのか?いいえ…。死ぬ資格も無いってことだ。歩くしか無いのだ。さあ、歩け!
平地に出た。「天狗の路地」。
やれやれ。さて、もうここまでにしようか。間もなく日没だ。そして精根尽きた。テントを張るスペースはある。ビバークというヤツだ。気付けば凄まじい汗と喉の乾き。タオルはもう汗が入る余地は無いと言っている。ボトル2本を空にし、ザックの中のソフトタンク水を補給した。タバコに火を点け深く吸った。立て続けにもう1本。
少ない低木は風にねじ曲げられている。呪われている?そしてこれは遭難と同じだ。さあどうする?この岩場に入って倍近い時間を要している。行くか、留まるか。目的は何だった?双子池で夜を過ごすためだ。行くなら今すぐだ。
ヘッドランプを取り出し、スイッチを確認してセットした。GOだ!
ここからは下りになった。湿った苔と岩で手も足も置き場が定まらない。
泥濘に指の血が滲む。
足を掛けた木製のハシゴも崩れ落ちた。
途中に見えた木道や小屋は幻だった。
足を滑らせ飛んだ。目の前に岩が迫ったが、腹のバッグがクッションになり、顔面激突は免れた。感心する程見事な受身だ。
ああ、しかしいつになったら終わるのだ。どのくらいの時間が経ったのだ。部屋の灯りが見えた。間違いない。これは幻ではない。突然終わった。降り立ったのだ。17時半。2時間のところ、4時間を掛けていた。
時間をメモ、あれペンが無い。落としたのだ。探しに戻るか?振り返る。ダメダメ。ストックを突く。感触が鋭い、ゴムが無い。やはり落とした。引き返すか?もう一度振り返る。ムリムリ。拾ったより、置いて来たゴミのほうが大きい…。申し訳ない…。後のクライマーに願う。


「おーい。こっちだよ。こっち。」
皺枯れた大きな声。どうも呼ばれているようだ。そう言えばあの窓の灯りに人影があった。無様な姿を見ていた訳だ。
「良くまあそんな所から来たね。」
正面から入って来たのだ。何も草むらから這い出して来たのではない。
「大岳から来たの?凄いねえ。びっくりしたよ!」
興奮した様子。5メートルと離れていないのに50メートル先の相手とでも話すかのように。
「ここはね。トレーニングだって上って行くのはいるけど。ここを下りてくるのはいないよ。」
凄いのか、バカなのか。選択を誤って死ぬかと思ったなんてそんな事は言えない。しかし本当にうれしそうに話す。
そんなに喜んでもらえてうれしい。命懸けでやって来た。その甲斐があったというものだ。
「それにしても凄い荷物だね…」一転して呆れた表情を見せた。
「テントにはいい場所があるよ。ただ先客がいるからどうかな…」
すぐに闇となる。ヘッドランプの灯りで雄池の水を汲み、雌池の畔にテントを組んだ。
バーナーに火を入れる。虫が集まる。飛んで火に入る夏の虫。
横になると、身体のあちらこちらが悲鳴をあげた。
あいにく空は曇り。星を仰ぐことは出来なかった。風景なんて無いただの闇。前室でキャンドルの炎を揺らし眠った。
夜中、雨音に目を覚まし、干していたシャツ、パンツに慌てることになる。

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つづく…


麦草峠 7:05〜8:40
大石峠 9:00〜9:20
茶臼山 10:05〜10:20
縞枯山 11:05
雨池峠 11:38〜11:46
山頂駅 12:00
北横岳ヒュッテ 12:50
北横岳 13:05〜13:26
大岳
天狗の露地  16:16
双子池 17:30
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